1992年、愛知県岡崎市でカスタムショップ「ゼロエンジニアリング」が産声を上げた。
オートバイの総合パーツメーカー 株式会社プロトの一事業部としてスタートしたゼロエンジニアリングは、ビルダー木村信也が生み出す個性的なチョッパーによって、スタートして間もない時期から絶大な人気を博していく。
エンジンの存在感を強調するリジッドのグースネックフレームをベースとしたロー&ロングのフォルム、ハンドクラフト然としたディテールの作り込み。
オートバイの総合パーツメーカー 株式会社プロトの一事業部としてスタートしたゼロエンジニアリングは、ビルダー木村信也が生み出す個性的なチョッパーによって、スタートして間もない時期から絶大な人気を博していく。
エンジンの存在感を強調するリジッドのグースネックフレームをベースとしたロー&ロングのフォルム、ハンドクラフト然としたディテールの作り込み。
和のテイストを色濃く漂わせるそのスタイリングは、当時欧米を中心にカスタムビルドのメインストリームとなっていたニュースクール=アルミビレットを多用したハイテクカスタムと対極の存在として、ワールドワイドに人気が飛び火。アメリカの名だたるカスタムショーでアワードを獲得したことも相まって、“ゼロスタイル”はハーレーカスタムのジャンルとして世界に認知されることとなった。その結果、数人のスタッフで運営する「ゼロエンジニアリング」にはオーダーが殺到、納車4年待ちという状況に陥ることとなる。
ごく一部の人だけが味わえるカスタムバイクではなく、ゼロスタイルの魅力を多くのライダーたちが共有できないか。そう考えた「プロト」は新車で購入できる市販車両の開発に着手する。※後にカスタムショップ「ゼロエンジニアリング」は、株式会社プロトより独立。
オーナーだけが満足すればいいカスタムバイクと異なり、メーカーとしての市販モデルである以上、ライディングの技量を問わない操作性や信頼性、安全性や耐久性を高い次元で実現し、なおかつ法規制に則ったものでなくてはならない。以来様々な試行錯誤と膨大な距離のテストランを重ね、2003年、ロードホッパーが誕生したのである。
オーナーだけが満足すればいいカスタムバイクと異なり、メーカーとしての市販モデルである以上、ライディングの技量を問わない操作性や信頼性、安全性や耐久性を高い次元で実現し、なおかつ法規制に則ったものでなくてはならない。以来様々な試行錯誤と膨大な距離のテストランを重ね、2003年、ロードホッパーが誕生したのである。
- 1992
- 愛知県 岡崎市に株式会社プロトがカスタムショップ「ゼロエンジニアリング」を設立し、
ビンテージバイクのカスタム開始
- 2001
- ゼロエンジニアリングデザイン、PLOT製造 ”ロードホッパー”発表
クールブレーカーカスタムショーへ Type 1&2 プロトタイプ出展
- 2002
- 米国ラスベガス市にPLOT USA dba ゼロエンジニアリング設立 ”ロードホッパー”の組立開始。
クールブレーカーカスタムショーへ Type 1&2 量産車出展
- 2003
- MC事業部及びMC開発センター設立
ロードホッパー Type 1&2 販売開始
- 2004
- ”ロードホッパー Type 5”発表
新モデル HD-EVO 及び S&S SHOVEL エンジン搭載 Type 5 発表
- 2005
- Type 1&2 マイナーチェンジ。2005 モデル Type 1&2 発表
Type 5 EVO 出荷開始(4月)
- 2006
- Type 5 Shovel 出荷開始(8月)
- 2007
- Type 1&2i マイナーチェンジ。 2006 モデル Type 1&2i 発表
EFI システム開発開始
- 2008
- Type 9i 開発開始。 サスペンション仕様開発開始
- 2009
- 愛知県 岡崎市のカスタムショップ「ゼロエンジニアリング」が、株式会社プロトより独立。
米国オハイオ州シンシナティーで開催の V-Twin Expo で ”サムライチョッパー”発表
- 2010
- 米国で”サムライチョッパー”販売開始
Type5 EVO(インジェクションモデル)出荷開始
ロードホッパー・ヨーロッパ仕様が現地公的検査機関の認可を取得
「ロードホッパーType5、Type7、Type8」ヨーロッパ仕様販売開始
- 2011
- 「ロードホッパーType9 -Shogun-」ヨーロッパ仕様が現地公的検査機関の認可を取得
Type 1&2i(インジェクションモデル)、Type 9i出荷開始
- 2012
- 「ロードホッパーType9 -Shogun-」オーストラリア仕様が現地公的検査機関の認可を取得
「ロードホッパーType9 -Shogun-」タイ仕様が現地公的検査機関の認可を取得
「ロードホッパーType9 -Shogun-」台湾仕様が現地公的検査機関の認可を取得
- 2013
- Type 5 SHOVEL (1520㏄) キャブレター仕様 発表、出荷開始
- 2014
- Type 2i ZERO FIGHTER 発表、出荷開始
- 2016
- JAIA 日本自動車輸入組合の正会員となる
Type9 EVO、Type5 EVO キャブレター仕様 発表
- 2017
- ロードホッパー生産終了
地を這うように身構えたフォルム。シンプルであるが故に際立つVツインエンジンの存在感。驚くほど低いシートに腰を下ろしてフォワードコントロールに足を乗せ、上半身を前傾させてハンドルグリップを握る。ライダーをその気にさせるタイトなポジション、これぞ四半世紀前からビルダー木村信也が世に問うた“ゼロスタイル”そのものだ。
ハーレーダビッドソンが1999年にリリースしたツインカム。ボアに対してストローク比が小さく、2本のカムをチェーンで駆動する最新エンジンは高回転域までのスムーズな吹け上がりが身上だが、ロードホッパーに搭載されるショベルエンジン、エヴォリューションエンジンは1936年のナックルヘッドから連綿と受け継がれる1カム/ロングストロークユニット。ツインカムのごとき高回転の伸びは望めないが、古き良きVツインならではの明確な鼓動感がそこにある。
スロットルを開けつつクラッチをミートした瞬間にグイッと尻を押し出す加速フィール、路面のコンディションがダイレクトに体に伝わる快感は、リアサスを持たないリジッドならではの特権。目の前で細かく収縮を繰り返す剥き出しのフォークスプリングが、バイクを操る歓びを与えてくれる。
この上ない個性に溢れた外観と同様、リジッドフレーム+スプリンガーフォークとショベル・エボリューションエンジンが生み出す走りは、現代のモーターサイクルでは他に類を見ない魅惑の世界。一度味わえば忘れられない衝撃がここにある。